勃起不全を確かめる指の罠

「勃起不全」。なんて嫌な言葉でしょうか。
男にとって、それはできれば生涯通じて関わりたくない言葉。
ですが一生かかわらずに終えることは至難のワザ。
今「それはありえない」と書こうとして思いとどまったのは、完全勃起しか経験しないで寿命を全うするという、信じられない幸福な生涯を送る人も、いるかもしれないと考えたからです。

不全。
その先にはどうしても「不能」が見えてきてしまいます。
「不能」は、男を一言でKОする、鉄板の言葉。
若いからと言って安心できないところに、その恐ろしさがあります、20代で、ある日突然、なんてことだってありうるのです。

ふと考えたことがあります。
それは「動物には勃起100%でないまま交わることはあるのだろうか」という疑問です。
不全のままの交尾はあるのか、そしてその時当事者であるオスは、それを自覚したり、考えたりするのだろうか。

「子供電話相談室」に電話をかけたい気持ちです。
と、ここで、私はあることに気づき、「もしかして、これが人間のオスの悩みを生む、あるいは悩みを増幅してしまう原因なのではないか」と思い至ったのであります。

それは、「手」です。
動物にも勃起不全があって、本人のオスはそれを自覚して、「何か変だな。どうしたんだろう」と思う、そのくらいのことはある、という仮定で、考えてみました。

「何か変だな」と犬のオスが気づき、猫が気づき、牛も馬も豚もキリンも象もコアラもなまけものも気づく。
けれど彼らは、その「異常事態」を確かめることはできない。
それは、自分の手や足を使って、自分の性器を触ることができないからです。
猫や犬くらいなら、触れることくらいはできるでしょうが、あの肉球では、事態の判明はとてもできますまい。

そこで、人間です。
われわれには大変敏感で、日常もっとも頻繁に使う手と指があります。
勃起不全に限らず、なんかちょっと疑問に感じるようなことがあれば、すぐに指で確かめるのが人のさが。

まして、男にとってもっとも深刻な事態発生となれば、まっさきに手が、手のひらが、指が、事件発生の現場に駆けつける。
そして確かめる。
「ああ、やっぱり」と確認する。そして、「がびーん」と落ち込む。

どうです。
これが人間のオスだけに用意された罠だとは思いませんか。
これは、罠です。手で確かめて「どうしてこんなに柔らかいんだ。
どうして硬くならないんだ。
ああ情けない。
なんだかさっきよりもっと柔らかくなってきたみたいだぞ。
どんどん縮んで行く。
おい、がんばれ。
しっかりしろ」と、深みにはまらせるための罠なのです。

という真理(?)に気づいた私ですが、しかし、今後そういう事態になったら、私はやっぱり自分の手で触って確かめるでしょう。
確かめないでいられる人なんていないでしょう。
そして、やっぱり触って、「がびーん」となって落ち込んで、深みにはまっていくのでしょう。

ということは、長々綴ってきたこの考察は、何の役にも立たないということになります。
まあ、たいがいの「考察」は実生活に役立たないものですがね。
ふふっ。

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